やにうさぎの雑記帳~140字じゃ語れない~

某呟きSNSには入りきらない思いやなんかを書いています。

【文房具の旅】ダイソー 万年筆 中字【万年筆】

就活と研究でいい感じにおかしくなってきた、らぼうさぎです。

先日、某オンシャー(最終で落とされた)に面接に行ったときにフラリとダイソーに立ち寄ったんです。そこで「100円で買える万年筆」を見つけたんです。
そのときは「まあ世の中なんでもあるよね」という感じでスルーしたんですか、今日になって急に気なりだして、100円だし、買ってみようか、ということで、手に入れてきました。

ちなみに、「ダイソー 万年筆」で検索するとまあ出てくること出てくること。やはり先達の皆様が随分詳しく書いておられます。

https://www.google.co.jp/webhp?sourceid=chrome-instant&ion=1&espv=2&es_th=1&ie=UTF-8#q=%E3%83%80%E3%82%A4%E3%82%BD%E3%83%BC%20%E4%B8%87%E5%B9%B4%E7%AD%86&es_th=1

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 横向きになっちゃってますが、仕様です。中字ということで、ペン先はMくらいに当たるんですかね。しかもインクつきです。これで100円。お安いですね。

 

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 裏を見てみますと、、、、ふむ、ペン軸が金属製なんですね。

 

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実際に出してみたのがこれ。うん。すごい重量感。この重さなら筆圧をかけなくても(フローさえ良ければ)スイスイ書けそう。てか、これで100円かぁ、、、すごい時代になったもんです。

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インクカートリッジは欧州共通規格ですね。上の方です。下はパイロットのインクカートリッジです。長さは4 cmくらいで、パイロットのものと比べると短め。

 

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ペン先にインクカートリッジを取り付けました。ねじ切ってある部分は罵詈が出てますが、それは値段相応って感じですね。ペン先には「IRIDIUM POINT」と刻印があります。鉄と銅で、
ど う し た ら イ リ ジ ウ ム に な る ん だ よwww

調べてみると、どうやら中華製のペン先にはよくある刻印らしい。苦笑いしながら組み立ててみます。

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(やっぱり、画像横になるなあ、、、、)
ずっしりとした、重量感はすばらしいものがあります。これでフローがよければ、ささっとメモするときには使えそうですね。

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実際書いてみました。うん。すごい書きやすい。びっくりです。ペン軸が金属製で重いので、「手を添えて紙の上を滑らせるだけで」書けます。インクフローも悪くありません。ひっかかりもなく、です。コレだけ安いと個体差も大きく、当たり外れもあるでしょうから、一概には言えませんが、100円でコレなら満足。

 

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以上、ダイソーの100円万年筆レポートでした~

【文房具の旅】大学生協 実験ノート【実際安い】

万年筆で書いてるとどうしても、裏写りやヒゲがでたりするのが気になります。
で、文字が滲んでアレな感じになったりしてしまってゲンナリするわけですが、そうなると「色々書くノートとか手帳の紙」にこだわりたくなってしまうのが人情であります。*1

かといってお金もないので、その辺、特に大学生協で安く手に入りそうなよさげなノートはないかなあ、と探してみることにしました。
今回の条件は、以下の通り。

  1. 万年筆で書いていても滲みやヒゲの出ない紙質であること。
  2. 手帳は『トモエリバー』を使ったほぼ日手帳 (オリジナル) を使っていて満足しているので、A4サイズくらいの大きなノートであること。
  3. 頑丈で持ち運びに耐えること。
  4. 用途が研究からプライベートまでなんでも書く雑記帳なので、構造式やグラフも描きやすい方眼であること。

ということで、大学生協で実際に買ってみたのがこれ。

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大学生協の実験ノートです!

「おい、実験ノート買ってどうするんだよ。雑記帳だろ?」と思うかもしれませんが、条件を満たすノートがこれなんですよ。1000円出したらおつりがくるし。

bungu.univcoop.or.jp

このページの下の方に載っています。

本文用紙は、長期保存に優れた厚手の「中性紙」を使用し、製本は糸綴じの上製本で、厚表紙と併せて長期の保存にも耐えられるように工夫されています。純正パルプ配合率100%の長期保存に適した「中性紙」は、万年筆や水性ペンなどで書いても裏写りし難い、普通のノートよりも厚い81.4g/m2の本文用紙を使用しています。(上記URL 商品の特徴より抜粋)

随分紙が厚いのですな。『万年筆や水性ペンなどで書いても裏写りし難い』ときた。しかも長期保存向けで製本は糸綴じ。日記帳にもなりそうな感じですね。

で、意気揚々とここまで書いたわけですが、世の中は広いもので、このノートをレビューしておられる方がいました。

巨大な測量野帳のような重厚なハードカバーノート:アピカの実験ノート: tadachi-net 出張所

たしかに測量野帳みたいであります。実験化学をやってる身からすると、これくらいのノートが欲しいもんですが、A4のキャンパスノートを買ってもらうにも苦労したくらい*2の万年金欠ラボでは、1冊1000円弱のノートなど高級品なのです。

さて、では中身を見てみましょう。

 

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分厚いハードカバーをめくるとこんなかんじ。目に優しい色の5 mm方眼、ページ上部には日付とページ番号を入れるためのスペース、左と下に余白があります。下の余白は実験終了時に署名を入れたりするのに使えそうですね。左側は時間などを描きこむのに便利かな。工夫次第でいくらでもやりようがありそうなページ設計。よく研究されてる辺りはさすが大学生協、というところでしょうか。

 

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脱落、改ざん防止、そして長期保存に耐えるように頑丈な糸綴じになっていますが、開きやすくて書きやすそう。本文用紙はたっぷり100枚。 それにしても、すごいしっかりした作りです。これで1000円でおつりがくるとかすごいなあ。

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しおりは2本あるので、これもかなり捗りそう。

 

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実際にエリートEFで書いてみました。汚い字で恐縮ですが、まあ書きやすいこと書きやすいこと。細いペン先だからといって引っかかることもなく、スイスイ書けます。
もちろん、滲むこともないですし、ヒゲが出ることもありません。81.4 g/m2ってのは凄いもんですねえ、、、

 

それでですね、このノートの製造元はというと、、、

 

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アピカなんですね。万年筆で書くのにおすすめされる「紳士なノート」で有名なところです。モレスキンよりもいい、というブログもチラホラあるくらいですから。

 

実験ノートという本来の目的で買ったわけではないけど、一日を振り返って色々と書き留める雑記帳としてはすこぶるいいものだと思います。

 

 

*1:コレ、完全に沼だな?

*2:僕が言い出すまで、弊ラボのノートはずっとB5だったらしい。実験ノートといえばA4だべや、と思うんですけどねぇ。

【万年筆】NAGASAWA キップレザーロールペンケース 10本差し【筆巻き】

「万年筆もだいぶ増えてきたし、今後のことも考えて筆入れ的なものが欲しいよね」ということで、万年筆を収納して持ち歩くための筆入れを探すことにしました。

研究室に配属されてからというものの、3色ペンを白衣やワイシャツの胸ポケットに差して持ち歩いただけで、筆入れなんてものは使っていませんでした。
ただ、万年筆を何本も裸のままで持ち歩くのは気が引けてきたので、いい加減なにか買おう、ということにしました。

せっかくだし、少し値が張っても長く使えるものがいいよね、と思っていたところで、知り合いの先生から「これがええで」とオススメされたのが『NAGASAWA キップレザーロールペンケース 10本差し』というやつです。

item.rakuten.co.jp

 

ほうほう、、、これはよさそうだ。

この『キップレザー』とか『10本差し』とかちょっと物欲を刺激されそうですね?

「よし、これにしよう」と勧められてからものの20分もしないうちにポチッとやってしまいました。ヾ(゚Д゚ )ォィォィ

「ところで『キップレザー』ってなんでしょうね?」ということで、ググってみると、wikipedia先生の『皮革』の項にこんな文言が。

  • キップ - 生後6ヶ月 - 2年程度までの牛からできる革。ヨーロッパ原皮にはキップという言葉はない。小型のコブ牛をキップに含めることも多い。

なるほど。比較的若い牛さんからとった革なのね。柔らかいのかな。

 

ということで、実際に現物を見てみましょう。

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【万年筆】コンバータを使ってみよう!【パイロット】

書き物をよくする人なら、一度は憧れるであろう『万年筆』
僕も普段使いの筆記用具として使っています。手帳に予定を書き込んだり、ノートを書いたり、思いついたことをメモしたり・・・たくさん書くけど握力がなく、書いてるうちに疲れてきてしまう僕にとって、万年筆はまさに理想と憧れの筆記用具でした。

今使ってるのは、パイロットのエリート95SのEF*1とF*2、それからルシーナのFです。あとは、セーラーのハイエース・ネオ3本に黒、赤、青という3色をそれぞれ入れて手帳につけたペンホルダーにぶら下げて使っていたりします。
特にハイエース・ネオは、定価1080円という値段ながらも、細かい字も書きやすく、履歴書を書いたり手帳に何か書き込むのにもストレスがなく、その値段故に気安く持ち運んでいこうと思える辺りが気に入っています。

そう言いながらも、やっぱりお気に入りはパイロットの3本。特にエリートは携帯時119 mmという短さで、ワイシャツの胸ポケットにもピッタリ収まってくれます。そして、筆記時にはキャップをペン尾部につけることでバランスが取れて、安定して書くことが出来ます。
ルシーナは、中学生の時に初めて買ってもらった万年筆で、思い出深い代物です。ただ、それ故に持ち運ぶこともせずに専ら家で使っていました。

*1:極細字

*2:細字

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ボロディン 音楽と化学の話

ダッタン人の踊り」って曲、有名ですよね。この曲を書いたのはアクサンドル・ボロディンという作曲家です。「展覧会の絵」の原曲を書いたムソルグスキー*1や「熊蜂の飛行」を書いたコルサコフ*2などと合わせて「ロシア五人組」に数えられた人です。


ボロディン オペラ「イーゴリ公」より「韃靼人の踊り」 - YouTube

 

wikipediaにも載ってるくらい有名な話ですが、ボロディンの本業は作曲家ではなくて、サンクトペテルブルク大学の教授、化学者だったんですね。

アレクサンドル・ボロディン - Wikipedia


実は、そんなボロディンの名を冠した反応があります。
別の発見者の名前をとってハンスディーカー反応(Hunsdieker Reaction)とも呼ばれる反応です。こちらの方が知られた名前かも知れません。

ハンスディーカー反応 - Wikipedia

四塩化炭素中、カルボン酸銀塩臭素を作用させることで脱炭酸を伴って臭化物を得る反応です。

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Scheme 1. ボロディン反応(ハンスディーカー反応)の一般式

 

実は、この反応、僕にとってはとても思い入れのある反応なのです。特にこの時期、研究室に配属されたばかりで分からないことだらけの学部生が実験しているのを見ると、5年前の自分を思い出します。

当時、僕はこのボロディン反応を仕込んでいました。この時は、3,5-ジニトロ安息香酸(1)をエタノール中、硝酸銀と作用させて対応するカルボン酸銀塩(2)に導き、ボロディン反応によって1-ブロモ-3,5-ジニトロベンゼン(3)を得ようと考えていました。

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Scheme 2. 学部4年生の僕が考えていた1-ブロモ-3,5-ジニトロベンゼン(3)の合成経路*3

 

ですが、硝酸銀のエタノール溶液を手にかけてしまってひと月以上手が真っ黒になったままだったり、カルボン酸銀塩が上手くできなかったり、で随分苦労した記憶があります。
なんとか化合物3の合成に成功して次に進めることができたのですが、後に、m-ジニトロベンゼン濃硫酸中、60 °CでN-臭化コハク酸イミド(NBS)を作用させるだけで合成できてしまうことが分かり「なんでもっと文献を調べなかったんだ」と落ち込んだりもしました。*4

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ですが、このボロディン反応を使って作った基質で修論まで続くデータを出したことを思うと、なんだか、無駄じゃなかったかなぁと思ったりもします。

(あれ、ボロディンの話は?)

 

 




 

*1:展覧会の絵」のオーケストラ編曲はラヴェルによるものが有名

*2:交響詩「シェヘラザード」や管弦楽法の大家でもあったとか

*3:Ref: J. Polym. Sci.: Part A: Polym. Chem. 2000, 38, 3911-3918.

*4:Ref: J. Org. Chem. 2007, 72, 5867-5869.