やにうさぎの雑記帳~140字じゃ語れない~

某呟きSNSには入りきらない思いやなんかを書いています。

季節外れの北帰行~帰省5日目~

雨が降っています。

今日は一日霧雨模様でした。どこかに出かけようかと思いましたが、それは明日にして、今日はお家でゆっくりすることに。

そろそろ「実験したい」と思えてきた。

どんなに好きなことをやっていると言っても、人間どこかでストレスは感じているものなんだというのを今回経験しました。いや、実験すること自体には抵抗はないのです。どちらかと言えば、「好きなことをやっているのだから疲れるはずがない」という僕にとっては理解しがたい大前提が僕を苦しめていたように思えます。

確かに、好きなことにのめり込んでいる時は疲れを感じないものだ、というのは理解できます。それが例え、上手くいかないことの連続だとしても、です。

 

それでも、今回、僕の心は悲鳴を上げてしまった。自分なりに考えてみたい。

ひとつは年度初めから続いた研究以外でのゴタゴタと、それに関わる人間不信ではないか。
どうしても理解できないことや、僕ではどうしようもないこと*1を押し付けられることの理不尽さをまざまざと味わいました。この出来事に対して僕自身はあまりにも無力でした。今までにも理不尽なことは経験してきましたが、今回は相手が悪すぎたようにも思います。何せ相手は絶対的な権力がありますからね。
一度、人間不信に陥ると、これまた厄介です。どれだけ厄介かというと、日常のコミュニケーションができなくなるのです。意思疎通が図られるべき間柄であってもそれがなされないことで、お互いの信頼関係というのはいとも簡単に壊れてしまうということも学びました。不信が不審を呼んで・・・という悪循環。今回の場合は信頼関係というより相手の僕に対する一方的な失望や落胆というのもありますが。

 

もうひとつは、単純なストレス。それも精神的なもの。
追いつめられた状態では、自分の力は十分に発揮できない。それどころか、意図しないことを次々と引き起こしてしまう。それがますます自分の首を絞めてしまい、さらなる泥沼にはまる。この悪循環を繰り返しているうちに、自分でどうにかできる範囲を超えてしまった。

研究室と物理的・精神的な距離を取ることで、今回はなんとか持ち直すことができました。でも次はどうでしょう。もし、次こんな状態になったとしたら・・・恐らくその時には僕の席はラボにはないでしょう。崖っぷちに立たされていることは十分理解しています。

その中でどう振る舞うべきか。1週間不眠不休で実験することを研究する姿勢として当たり前のように求められ、人格否定の罵声の中でどう過ごすのか。

今、僕が考えられる答えとしてはふたつ。かなり極端ではあるけれども、今の僕にはそれ以外に思いつかないのです。

ひとつは、全てを放り投げる覚悟で実験を続けること。それがなければ自分の限界を超えられないだろうし、学位も夢のまた夢なのかもしれない。いくら否定されて罵倒されても堪え凌ぎ、一歩でも研究を前に進めようという気持ちを持つことが解決策なのかもしれません。ただ、自分がどこまで堪えられるか、スルーできるか、という問題に直面しています。こればっかりは今後どうなるか分からない。
心の問題に対して無理解で、体力は無尽蔵にあるものだという相手に立ち向かうには、心の問題は自己解決するしかない。心が折れてしまうというのは誰にでも、いつでも起こり得る問題であるが、相手が無理解でいる以上はそれに対する対応は望めない。今回のように一時的な逃避でもいいから自分で解決するしかないのでしょう。
少なくとも、相手が「お前は向いてないからやめろ」と言ったところで、僕がそれを決断しなければ学生としてはいられるはず。

もうひとつは、全てを諦めてラボを去ること。
でも、去った後のことは何も考えていないのです。どこに就職するのかも、何をするのかも、どういう風に生きていくのかも、です。
生きていれば、必ず何かにはなれるでしょう。しかし、それがなりたい自分であるのかは別なのです。いい加減、夢を見ることはやめて無能な自分という現実と向き合い、答えを出すべきなのかもしれません。

矛盾するようなそうでないような、複雑な思いをグルグルとめぐらせながら北海道の原野を眺めていると、結局は「自分が今、どうしたいのか」というところに帰着する。僕は今どうしたいのか。

「反応を仕込みたい」、「カラムをかけたい」、「標的化合物を片っ端から合成したい」、「片っ端から測定にかけてその性質を並べて比べてみたい」、「そこから何か面白いことが見えてくるはずだからそれをまとめて論文にしたい」、「自分が研究をしていたという証が欲しい」、「ただ単純にやってみたい、その先を見てみたい、自分で新しいものを生み出してみたい、見つけてみたい」、「そしてそれで学位が欲しい」、「これで飯を食っていきたい」そんな欲求が自分の中にあります。

ならば答えは1つでしょう。

前へ進む、突き進むしかない。実験をする、それが答えなのだと。
例え「ラボに来ない後輩をどうにかしろ」とか「1週間寝ないで実験するのが普通だ」とか言われようが、それを理不尽だとか無理解だとか感じようが、それはもうどうでもいいことなのだ。突き進むしかない。

今一度、僕は自分に問うてみました。もうこれで結構でしょう。

 

まずは年末まで、突き進んでみようと思います。
そして、また飛行機に乗って帰ってこよう。
クタクタになって、機窓から見える北海道にまた泣けばいいのです。
そして、何も考えずに楽しく過ごせばいい。

追いつめられると何も考えられなくなるけれども、こうして、距離を置けたことがとても良かったと思う。

季節外れの北帰行を勧めてくれた助教先生や、急用があったとはいえ、僕の急な帰省を温かく受け入れてくれた両親に今一度感謝したい。

もうそろそろ帰らなければいけません。楽しい時間も終わりです。
帰ったら思いっきり実験をしたい、と思えているので、本当に良かったと思います。

 

すっきりした。

*1:B4が来なくなったのを僕のせいにされた件